■第4幕 インターミッション

予選ラウンドKOUSOUが終わり、みな自分の命があることを不思議に思うというある種逆転的な感覚に首をひねりながら再び重く暗い会議室の席につく……。
「『生きている』ということと『死んでいない』ということは、同じことじゃあございやせんなぁ……」
誰からともなく漏れた呟きに、びくリと肩を震わせ目を合わせないように視線を這わせるもの数名。無粋な空調が静けさを演出する…。
その呟きに応えたのかどうかは定かではない。たっぷりと時間をかけてから誰かがあえて皆に聞こえるように声を張った。
「『井の中の蛙、大海を知らず』とはよく言ったものですな。大海を知らず、狭い囲いで養殖された食用蛙は、やがては素揚げにされて人間様の腹の中。あらら?意味違うてましたかな?ははは……!」
ばん!
極度の緊張に耐えかね立ち上がる代理人。
「帰りたいならさっさと帰れ……。但し、命だけは置いていけよ。それがココのルールだ」
ふうと一息、白い煙を天に立ち上らせる代理人は、立ち上がった影を一瞥する。
黙って拳を握る誰もが、本音は同じだった。
逃げ出したい気持ちを必死に堪える者。刃向うモノあらば刺し違えてでもと意気込む者。勝利のその先を見つめる者…。
「KACHINUKUKOTOGA IKIRUKOTO」

がちゃり。と音を立てて再び会議室の扉が開く。
今度は腰を浮かせるものは居ない。ただ、覚悟を決めるのみ。

冷たい汗を隠すものの中にただ一人。澄ました顔の代理人が、扉が開くとともに立ち上がった。数人の代理人の横を抜け、白板の前に踊り出る。全ての代理人の視線が集中する中で、ゆっくりと、サークル対抗代理戦争〜ワレ何処の陸のもんじゃい〜の本選開催が宣言された。じっとその声を聞きながら時を待つ各人。張り詰めた空気の中で本選ラウンドJINGIのルールが説明された。

命預けよとの代理人たちの怨念が写真機の焦点すらも狂わせる…



◆本選ラウンド JINGI
ルール
・本選出場12デッキによるトーナメント戦
・使用デッキと代理人は1回戦から最終戦まで固定。
・25分 1本勝負。 
・一回戦で12デッキ→6デッキ。 二回戦6デッキ→3デッキへと絞込み。
・三回戦は二回戦を勝ち抜いた3名3デッキに加え、一回戦で敗退した者6名による「協議」により1名を敗者復活枠「YOMIGAERI」として追加。4デッキ→2デッキへ。
・決勝戦を行い2デッキ→優勝1デッキが決定する。
・使用デッキはくじ引きにより代理人の順番を決定。順番の早いものから使用デッキを選んでいく。(CHIGIRI)
・YUIGON使用可。
・銃器使用不可。
・刃物使用不可。
・兵隊使用不可。
・健康保険使用不可

ルールが宣言されざわつく代理人たち。
直ぐにでも予選ラウンドを回想するもの。テーブルの上に残った12のデッキを次々と手にしていく者。抽選が行なわれそれぞれの代理人が順番に従い、デッキをピックしていく。
思惑通りのデッキを手にした代理人と、そうでない者が入り混じる中、みな一様に内心を悟られまいと「CHIGIRI」を結んだ己のデッキと見詰め合う。
最後に開催宣言をした代理人がサークル広島げんしけんのデッキ「Wrath of GodFather」と「CHIGIRI」を結び、下準備は整った。



◆CHIGIRI 一覧
クローバー 「はじめてのでぃめんしょんぜろ
代理人:木谷会長

CC団 「ジェネシス with 試作型 - 心の悲鳴が聞こえるか!?
代理人:創造神 中村聡

ゼロハウス 「ファム・ファタル〜逃れられぬ運命〜
代理人:南條女王陛下

スパイク・ボーイズ 「鮫ドロー
代理人:進藤ジャッジ

日吉確定組 「boseki風緑黒・万人向けVer
代理人:過激ジョー百瀬

じぇが・じぇが 「トロンボー
代理人:池っち店長

HATW 「ドラグーン!大砲
代理人:マッシュ中本

古本生活 Lycanthropes 「3色流氷893
代理人:スマッシュ布施

黒猫連邦 「隠れ里の同好会
代理人:プリンス斉藤

Dimension Alchemist 「青赤ホリプパ・オン・ステージ!!〜アイドル進出への決意〜
代理人:細い柳の葉ムラナコ

Capricious players 「無我の境地
代理人:中村夫人

広島げんしけん 「Wrath of GodFather
代理人:メルマガ 中の人


同じく抽選でトーナメント表と対戦カードが決定されおのおのが席を移動し準備は整った。
サークル対抗代理戦争〜ワレ何処の陸のもんじゃい〜本選ラウンドJINGI 開幕

※己の命とサークルの魂を賭けた戦いの前に、極度の緊張からか笑顔すらのぞかせる代理人の面々。



第3幕へ 第5幕へと続く



Dimension-Zero Official Home Page © BROCCOLI