■第6幕 本選ラウンド JINGI 二回戦


熾烈を極めるトーナメントを勝ち抜き二回戦に進出した6つのデッキとCHIGIRIを結んだ6人の代理人たち。各々トーナメント表に従い席を移動する。
勝者には栄光を。敗者には暗雲を。

サークル対抗代理戦争〜ワレ何処の陸もんじゃい〜二回戦の幕が上がる…。





◆JINGI 二回戦 第1試合
Dimension Alchemist 「青赤ホリプパ・オン・ステージ!!〜アイドル進出への決意〜 CHIGIRI:細い葉の柳ムラナコ
クローバー 「はじめてのでぃめんしょんぜろ CHIGIRI:木谷会長

デッキとしての完成度は高いものの「ベストスタートデッキと同じ構成」を目指し作られたクローバー「はじめてのでぃめんしょんぜろ」には3枚積みのカードは無い。同様にレアカードも『轟く斧の乙女』『カオスビースト・ゲンブ』『白き聖王の門』『ケイオス・ハンド』の4種各1枚ずつの計4枚しかない。Sレアカードは言うまでも無く入っては居ない。明らかにカードパワーの劣るデッキのポテンシャルを木谷会長が引き出すのか。対する細い葉の柳ムラナコが使用するは『流氷の大陸』から『ホリプパ』『決意のジェミニ』が出れば止められなくなる赤青デッキ。
序盤から積極的に動いていったのはさすがの試合巧者、木谷会長だった。『ノックアウト』を契機に軽量ユニットを展開していく。

それとは全く対称的に初手から『ステルス・スナイパー』を2枚手札に引いてしまった細い葉の柳ムラナコ。中央投下からの消耗戦には持ち込めないと、自ら『ステルス・スナイパー』をエネルギーに埋めていく。
「……悠長なこと言うてたら、押し切られる…!!」
軽コストで優秀なバウンス能力を持つ『ハイタイドセイコー』をにらみつけるようにプレイし、木谷会長の動きを牽制する。
その選択自体は間違ってはいない。しかしここから、細い葉の柳ムラナコの苦悩の日々が始まる。
「……青が出ない。」
その呟きが木谷会長には伝わったのかどうか。いや例え伝わっていなかったとしても、それはエネルギーゾーンのカードを見れば明らかだった。
『ステルス・スナイパー』2枚を含め豊富に溜まる赤エネルギーに対し、キーとなる青エネルギーは僅かに2つ。
手札には『流氷の大陸』がある。しかし流氷は青2無2で使用するカード。使えば青エネルギーを使い切ってしまい『ハイタイドセイコー』のバウンス能力を起動させることは出来ない。あざ笑うかのように木谷会長の手から『象砲手バルカン』が中央自軍にプレイされる。『バルカン』を牽制するように右から中央へライン移動をする『ハイタイドセイコー』まんじりともし難い時間が、木谷会長の展開をさらに後押しする。ビートダウンはディメンション・ゼロの基本。その基本を見せ付けるかのようにユニットが現れ、その対応に追われる細い葉の柳ムラナコ。木谷会長は攻めてを緩めない。
終盤になりようやく『流氷の大陸』をプレイすることができるも、既にそのときの木谷会長の盤面には5体のユニットがにらみを効かせる。『ハイタイドセイコー』の能力でなんとか風穴を明けた細い葉の柳ムラナコ。

風穴を開けられても勝ちを確信した木谷会長は動じない

エネルギーフルフリーズの木谷会長の目前に『決意のジェミニ』を特攻させるも、木谷会長の被スマッシュは5点止まり。

立て続けに大量にユニットを送り込まれ細い葉の柳は露と消えるのだった…。


クローバー 「はじめてのでぃめんしょんぜろ CHIGIRI:木谷会長 準決勝進出
     


◆JINGI 二回戦 第2試合
日吉確定組 「boseki風緑黒・万人向けVer CHIGIRI:過激ジョー百瀬
古本生活 Lycanthropes 「3色流氷893 CHIGIRI:スマッシュ布施

「……もはや失うものなど何も無いィッ!!」
気合十分のスマッシュ布施。「負け組キャラ」という地上の楽園を自らの手で破壊し勝ち上った二回戦。
「今日の布施は勝ちに行きます」

しかし、まぐれは2度続かない。

序盤はただエネルギー加速を求めて『バルカン』『誕生の宴』を望むも何れもスマッシュ布施の手元にはやってこない。その隙に、過激ジョー百瀬の『失恋の痛み』がスマッシュ布施の手札からデッキの肝とも言える大型ユニットを奪い去る。

焦るスマッシュ布施。
中盤に差し掛かりやっとの思いでキーカード『流氷の大陸』をプレイする。その噂は兼ねがね耳にしていたものの、実際に『流氷の大陸』と対峙するのは初めてだった過激ジョー百瀬。スマッシュ布施のベースゾーンに置かれた『流氷の大陸』を何度も手にとり、テキストを確認する。
「……なるほどなるほど。このカードはユニットがいる所には出せないんですね?」
「…そうです。」
「…例えば、開いている僕の自軍エリアのスクエアに相手が『流氷の大陸』を発動させようとしたとして、それにスタックして僕がクイックタイミングのユニットをプレイしてスクエアを埋めたらどうなるんですか?」
「『流氷の大陸』は先ずは効果使用の宣言と同時にXの値分コストを支払います。使用コストX以下の「どのユニット」を「どこのスクエア」に置くかは、流氷効果の解決時にはじめて決定されます。ですので、効果解決前にスタックして埋められたスクエアには、流氷効果でユニットをプレイすることは出来ません。同じラインの別のスクエアが空いていれば、そこにユニットがプレイされます。」
「……なるほど…。つまり……『水底の歌劇場』とは違う…と?」
「効果は似ていますが、一度でもスクエアが空けばユニットのプレイが出来てしまう歌劇場とは根本的に違います。」
「ありがとうスマッシュ布施。君のその正々堂々としたスポーツマンシップには最大限の敬意を払わせてもらうよ。」
「とんでもない。カードゲームにおいて、分からないことがあったら分かる人が説明する。そんなの小学生だってやっていることだよ。礼を言われる筋合いはな…」
「『バルカン』一歩横へ移動。流氷ラインを埋めます。何かありますか?」
「……っく!ありません。」

スマッシュ布施がもたつく間に展開されていたユニットを次々と流氷ラインに移動させる過激ジョー百瀬。流氷効果を完全に封殺すると共に強力なパワーも持ったユニットが一気にスマッシュ布施のお株を奪う大量のスマッシュを叩き込む。

布施は連続でYUIGONの使用を宣言する。

  YUIGON スマッシュ布施
●この場面での選択ミスは命取りっ!
右脳!

  YUIGON スマッシュ布施
●ここを凌いでトップデック勝負だっ!
念力!

あわれスマッシュ布施はYUIGONにも見放され、伝説は終わりを告げた。

これであっているのかわからないがYUIGONに従う過激ジョー百瀬


  YUIGON 過激ジョー百瀬
●試合に勝ったら
両手を頭の上にあげ、ひじを軽く曲げ、手を外側にむけ、嬉しそうにbosekiポーズをとりなさい。



日吉確定組 「boseki風緑黒・万人向けVer CHIGIRI:過激ジョー百瀬 準決勝進出



◆JINGI 二回戦 第3試合
広島げんしけん 「Wrath of GodFather メルマガ 中の人
CC団「ジェネシス with 試作型-心の悲鳴が聞こえるか!?CHIGIRI:創造神 中村聡

ディメンション・ゼロ界の三重鎮の一人池っち店長を屠り、意気揚揚と創造神に噛み付くメルマガ中の人。この戦いを制し、恐らく決勝にコマを進めるであろう木谷会長を下して天下を取ろうと夢見る兎。が、第2の牙城である創造神中村聡の手には、ジェネ姉を慕う兵共が結束を誓うプロトタイプたちの熱き魂が握られている…。
この戦い、容易には勝てまい。
「なにをそんなギラついた目で睨んでいるのですか?野望に満ちて歪んだ心じゃ機械の悲鳴は聞こえませんよ。」

試合は圧倒的に創造神のペースだった。
『キューティー・バニー』→『食物の連鎖』→『バルカン』という理想の形を狙っての序盤のプランはことごとく失敗する中の人。起死回生を狙い『マントルを漂う遺跡』をプレイするもあっさりと『電脳神の聖地』で破壊され、エネルギー破壊とユニット除去の両得を狙い中央に進軍してきた『バキュームクリーナー』に『クレーターメーカー』をぶつけるもあっさりと『ロボット3原則』で返される。エネルギー破壊も焼け石に水。こちらのデッキ構成を知ってかプロトタイプたちがワラワラと現れどんどん攻め寄せてくる。
とどめを刺したのは『タクシーキャブ』。中央でパワー7500と叫ぶタクシーが容赦なく攻め寄せる。手札にちらつく『プロトタイプ・ソウル』。
ジェネ姉もホーリースターも変な奴もまったく出さぬまま、走り回った旧時代の遺物に次々と落とされていく緑の戦士たち。

見せ場一つ作れぬまま、中の人の野望は雲散霧消していくのだった…。


CC団「ジェネシス with 試作型-心の悲鳴が聞こえるか!?CHIGIRI:創造神 中村聡 準決勝進出



二回戦が終了し、準決勝が行なわれる前に。
みなの注目が白板に集まる。トーナメント表の準決勝。勝ち上がった3デッキとは別に伸びる一筋のライン。その先に書かれた「YOMIGAERI」の文字。
「本選ラウンド開始前に申し上げた通り、一回戦で敗れた方の中から1名。このYOMIGAERI枠として準決勝に進出していただきます」

集められる代理人たち。マッシュ中本、プリンス斉藤、池っち店長、中村夫人、進藤ジャッジ、そして南條女王陛下。

「YOMIGAERI枠はあなた方6名による「協議」でお決め下さい。」
そう告げられお互いの顔を見合わせる6人の代理人。じゃんけんでも早撃ちでもマンホールへの落とし合いでもない。「協議」で決める。互いの人間としてのエゴイズムがそれぞれの代理人たちの心をくすぐる。
誰ともなく一人の視線が南條女王陛下に向いた。それに呼応するように次々と南條女王陛下に集まる視線。やがて五人の視線を受けて戸惑いを隠せない南條女王陛下。
「え、えと、ちょっと待ってください。私がYOMIGAERIだなんてそんな…」
奥ゆかしく遠慮する南條女王陛下。
見かねたマッシュ中本が一気呵成に手をあげついに立候補の声をあげる。
「じゃ、じゃあ俺出たい!YOMIGAERIたい!!」
びくりと体を震わせ、何かを察知したプリンス斉藤も慌てて手を上げる。
「い、いや、僕だ!僕こそがYOMIGAERIに相応しいっ!」
負けじと、進藤ジャッジ、中村夫人、池っち店長も次々と立候補する。


じゃあ俺が出る!いや僕だ!いいえ私私!



え、えー、だ、だったら私も…



どうぞどうぞどうぞどうぞ



YOMIGAERI
ゼロハウス 「ファム・ファタル〜逃れられぬ運命〜 CHIGIRI:南條女王陛下

それは逃れられぬ運命…。







第5幕へ 第7幕へと続く



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